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知らなかったではすまされない、コンプライアンス・ルール Vol.10

外出自粛が求められている今、概要書面をどう渡していますか?

新型コロナウィルス感染拡大を受けて緊急事態宣言が発令され、私たちの生活は一変してしまいました。

非常事態宣言よって多くの業種が休業を余儀なくされ、繁華街から人影や灯りが消えています。

 

人との接触を避けるため外出自粛が求められ、町中ではソーシャル・ディスタンスを意識する必要があります。

人と人の間に見えない壁ができているかのようで、この状況はまさに「コロナ禍」という言葉がピッタリのように感じます。

直接人と会う機会を減らさなければならないので、皆さんの活動にも少なからず影響が出ていると思います。

 

でも、今は便利なツールやアプリケーションのおかげで、ビデオ通話を使って複数の人と同時にコミュニケーションを取ることができます。

このような状況下でもリモートでミーティングを開催することも、ビジネスへお誘いすることもできるので、ビジネス・チャンスはまだまだ健在と言えると思います。

 

そんな便利なテクノロジーを利用するからこそ忘れてはならない大切なことがあります。

 

その1つが「概要書面の交付」です。

概要書面の交付が特定商取引法によって義務付けられていることは昨年10月にお伝えしました。

 

法律には「直接会えない人を勧誘してはいけない」などの規制はありません。

法律で求められている「概要書面を交付」して、「その内容を口頭で説明」できれば問題はありません。

 

「交付とは相手に渡すこと」であり、手渡しできない場合の交付方法は、「郵送」と限定されています。

 

FAXやメールに電子データとして添付して送信することは交付には当たりません。

 

また、説明する時に相手の手元に概要書面がなくてはならないので、事前に送付しておくことも必要です。

特定商取引法の解説書ではこのように説明されています。

 

「書面の交付は、特定負担についての契約の相手方が特定して交渉に入ってから契約を締結するまでの間に行わなければならない。

契約の締結以前に相手方に到達するならば自ら交付しても、第三者をして交付せしめてもよく、また、郵送でもかまわない。」

 

「交付して、説明する」、この順番を忘れないでください。

 

また概要書面を郵送する前に、クーリング・オフや中途解約などの重要事項に付箋を付けたり、アンダーラインを引くなど、相手方の目に留まりやすくするようにちょっとした工夫をしてみてはどうでしょうか? 

 

皆さんの誠意が相手方に伝わるのではないかと思います。